2010-11-19

[Research] 認知の表現とは?

「哲学する赤ちゃん」を読んでみて,Griffiths という人の論文を調べてみる.
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A computational foundation for cognitive development: comment on Griffths et al. and McLelland et al.
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あぁ,最近読んだ,
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Probabilistic models of cognition: exploring representations and inductive biases
Thomas L. Griffiths, , Nick Chater, Charles Kemp, Amy Perfors and Joshua B. Tenenbaum
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の人ではないか!
まったく,私の記憶力はだだ漏れである.ほとんど人を覚えることができない.

最近思うのは,どうも connectionist 陣営は分が悪い.ということ.
Empirically minded developmental psychologists は theory theory を提唱しているが,theory の変化を説明できるようなモデルがないことに不満を抱いている.connectionoist theory が現れたときに期待したが,その抽象表現の乏しさに失望したとのこと.で,probabilistic modeling がよいのだとか..


確かに確率的な表現大流行りで,SOM なんかは古い方法とかいう流れを感じるよ.

K先生にある研究会のときに,「やっぱりそういう流行にのった方がよいんですかねぇ.」などと愚痴ってみたら,

「まぁ,確率的な表現は表象が決まっていたら,その関係を表現するのには強力な手法なんだけど,その表象そのものを作るということになると弱いんじゃないかなぁ.」

というお言葉.でも,ロボットで手っ取り早いのはその表象の関係を学習させることなんだよねぇ.

最初から設計者が想定する行動なり認識なりの表象をエージェントに想定するのであれば,認知科学者が人に対して想定するように表象を設けておいて,それらの間の関係を調べるのがよいのだろう.でも,本当は内部で表象されているものが人間が想定するもの以外のものだったとしたら,その形成過程を含めてモデルを考えて行くべきなのではないか?

どこを出発点にするかで,エイヤーで決めるしかないのかもね.

2010-11-18

[Mac] プリンター蓋の開け閉めで直る

プリンターの調子が悪く四苦八苦する.

Mac から OKI の C610dn を使っているのだが,最近頻繁に

「回復可能:ネットワークホスト '192.168.100.100' はビジー状態です(30 秒以内に再試行します)」

などというメッセージが出るようになった.回復可能と書かれているものの,いっこうに印刷される気配がない.
プリンターの方は,

「プリント可能です」

なんでやねん..

ドライバーをインストールし直したり,プリンターのネットワークケーブルを調べたり,
コンピューターとプリンターの双方の電源を入れ直してみたり,
あるいは,電源をオフにしてしばらくおいてみたり,ネットワークアドレスを確かめたり,
ありとあらゆることをやってみたが,ぜんぜん繋がらない.

これに2時間近く費やして,精根尽きはてたとき,
ふと何気なくプリンターの蓋を開けて閉めるということをしてみると..

ヴイーン.ウォンウォンウォンウォン...

なんと!動き出して印刷された!
意味がわからんぞ!

[Life] チンパンジーの協力



協力を求めたり,それに対して感謝の意を表すということができるんだなぁ.
相手がそういう行動によって,こう思うということが推測できないとできないことですよね.

昔ゼミで,人間がお腹が減ってそうに見えたら,バッテリーを持ってくるようなロボットができたらおもしろいね.
なんてことが話題になったことがあるけど,一つ一つが難しいことだな.

2010-11-15

[グルメ] 市場の食堂まわり

最近,嫁さまは超朝型になり夜ごはんをあまり食べることができず,
つくる夜ごはんが簡単になりがちです.
それなら,ということで,先週末は朝から市場の食堂をまわりました.

朝4時半に起きてまず目指したのは,大阪中央卸売市場の中にある寿司屋「ゑんどう寿司」.
市場というのは物々しい雰囲気で,駐車場には多くのトラックが並び,その間を小さな三輪運搬車やフォークリフトが所狭しと動き回っています.ちょっとのろのろしていたら怒られそうな雰囲気です.



そんな中,なんとか店にたどり着きました.ここのお寿司はたぶん3回目.前回行ったときに隣で食べていた人のタバコの煙が漂ってきて残念な感じであったので,それ以来足が遠のいていました.しかし,今回は場所も新しくなり,嬉しいことに禁煙になっていました.これはとても嬉しいですね.

お寿司はおまかせで,1皿に5つずつ載ってきます.お寿司は新鮮なネタもよいですし,なんといってもごはんが口の中でさらりととろけます.つかみ寿司,最高です!嫁さまも滅多に見ることができない笑顔を見せて喜んでおりました.これで,明日からの待遇が良くなればよいのですが..



さて,今回はもう1つ.
次は堺市場の天ぷら屋「大吉」を目指します.
大阪中央卸売市場から阪神高速湾岸線にのって30分ほどで堺魚市場へ着きました.
ようやく空が明るくなってきました.

こちらのお店は,床に貝殻をぶちまけるのが特徴です.
鯵やら白子などの天ぷらと,そしてもちろんアサリのみそ汁を注文します.いやー,ウマーですね.
店は必ずしもきれいとは言いがたいですが,私はそういう雰囲気に落ち着きます.
まだ朝早いというのに,サラリーマン風の人がビールと一緒にやっていて,
「どんな人なんやろう」と嫁さまの想像力をかき立てます.
ビール羨ましい!今度は電車で来て一杯やりたいものです.


デラックス朝食がおわり家に帰ると,まだ「てっぱん」が始まっていないくらいです.

「朝早く起きたら,1日が長くて得した気分やろ?」

と超朝型の嫁は言いますが,眠くなってきました.
そのまま昼までグー.やはり1人に与えられた1日の時間は同じだと思います.

2010-11-12

[Book] 哲学する赤ちゃんへ

トイレ本として読んでいるピンカーの本「言語を生み出す本能」をそろそろ読み終えてきた.この本は大いに刺激を受けるところがあったが,研究に反映させるには自分の中でもう少し熟成させる必要がありそうだ.

次の本の候補は「哲学する赤ちゃん」
というのも,ブログ界でウルサい?おじさんであるという評判の経済評論家池田信夫氏が
無垢な子供という神話「哲学する赤ちゃん」
で取り上げていたり,それに関連して斜めから世間を論じることで定評の?雑談の達人が
赤ちゃんは行動を分類しない.「楽しく生きる」ことで一貫している
で取り上げられていたから.

大人は「徹底的に類型化」して世界をとらえ「単調で退屈な時間を延々と過ごすよう強制されている」のに対して,赤ちゃんは類型化せずに経験を楽しみ「毎日が楽しくて仕方がない」感じであるというのは,なるほどな,という感じである.まぁ,いまのところ研究では経験からどういう表象が出来上がっていくか,マッピングができあがっていくか,というはなしばかりしているのだが,それと動機や感情を結びつけた研究はまだほとんどされていないように思える.このあたりを考えていくとなかなかおもしろいんじゃないかな.

一方で,
ゼミで学生さんの研究を聞いたりしているときにも,ある程度研究を知ってくると,「あぁ,そのトピックはXX大学のOOさんのグループがもうやっているよ.」などと,知ったかぶりを披露して,学生さんのやる気をくじくようなことを言いがちであるが,そのように類型化することによって,知っている側はトピックの中に潜むおもしろさ自身を見過ごしているのかもしれない,と反省してしまう.よく知ることは,一方でそのものをそのままに見る目を失っていくことになるのかもしれない.純粋な目を失いたくないものである.アワビを食べないと.


「無垢」というので,思い出したが,
今まで読んでいたピンカーの本でも「人は空白の石板(ブランクスレート)か?」という問いに対して,
ある程度の生得性を考えないといけないよね,ということを主張されていた.池田氏は,この本では

大人は幼児という白紙に知識を書き込んでいくのではなく、無秩序で豊かな子供の想像力を社会の秩序という「型」にはめていくのだ。

ということを言っていると書いているが,はたして?
統計学習と生得の間にどのような橋渡しが可能になるのか?楽しみに読んでみることにしよう.

2010-11-04

[Life] ロボットのデモ

先日は女子高から

「ぜひ女子高校生にも進路の一つとして工学分野を考えてほしいので,
 身近に感じさせるために見学させてください」

という要望があり見学がありました.

見学の日の朝に,出かけに嫁さまに

「今日,女子高生が見学に来るねん.」

と言うと,

「ルンルンやなぁ..
 ん? そんな格好で応対するんかいな!」

ということで,ヨレヨレのジーパンとよれよれのYシャツから,
同じくヨレヨレだけれど,まだましな方のスラックスとジャケットに着替えさせられる.

「女子高校生をもてなすんやったら,清潔感やで.イケメンとチョコレートのお菓子を用意しな!
 後での話題ゆうたら,「あの説明してくれた人はカッコよかったなぁ」とかそんなんやで」
「いくらなんでも女子高生をばかにしすぎやで x_x...
 でも,イケメンかぁ..確かになぁ.
 研究室のイケメンに頼めばよかったな.」

などと嫁さまから注意を受ける.

残念ながら,見学では他のデモのために,ロボットたちは簀巻きにされて箱詰めにされてしまった後だったので,実際のロボットを見せることはあまりできなかったのだが,それでもムービーを見せると

「キモいー!」

などとよい反応がありました.

説明の最後に,工学部でも女性研究者の活動を促進するための試みが始まっていること等を紹介して,女性歓迎であることを少しアピールしたのですが,最初に見学した研究室の入っている建物には女子トイレがなかったことにショックを受けているらしく,肝心の環境面で説得力に欠けていたかもしれません.最近はこういう話もありますしね.
やはりイケメンとチョコレート作戦の方がよかったのか..

質問はほとんどなかったですが,ラボからの見送りのときに,

  (生徒)「えっとー,デモってなんですか?」
(引率の先生)「あほか,デモンストレーションっていうことや」
  (生徒)(手をあげながら)「あの最近,中国でいっぱいやってるやつ?」
(引率の先生)「それとちゃうわ.(こっちを向いて)びっくりするでしょ.
        私らも,動物観察のように生態を研究している毎日ですわ.」

というやり取りが面白かったです.たしかにあのデモも,実演もデモンストレーションだわな.専門用語を使わないように説明したつもりでしたが,そこで既にだめだったか〜.

エラトーのロボット達がシュプレヒコールをしながら行進している様を想像して,ちょっと笑ってしまった.

2010-11-01

[Life] 近所のラーメン店

家の近くには自転車で行ける範囲に有名ラーメン店が多いです.
これまでに行った近くのラーメン屋の感想をば.

麺や輝

つけ麺を魚系のスープで頂きます.このリストの中では一番好きですね.麺もツルツルだし,スープも最後まで飲めるくらいですよ(嫁には止められるけど).麺や輝系のラーメン屋は自転車で行ける範囲に3店もあります.あまり並ばずに食べられるのもよい点.




時屋

なんでも大阪を代表するつけ麺屋だそうで,これは食べねば,ということで嫁のいないときにこっそり行ってきました.土曜日の昼に自転車で行ったら,開店前だというのに結構な人が並んでいてびっくり.店内もきれいですし,音楽も流れていてラーメン屋じゃないみたい.麺や輝のように魚系のスープで麺もツルツルでおいしい.麺や輝をより洗練したような感じといえばよいでしょうか.でも,あそこまで並ばなければならないというのが私的にはだめです.そこまでするなら,麺や輝を並ばずに食べた方が満足感が高いかな.




天神旗

この店は,大阪でも数少ない,本格的な豚骨ラーメンを出すお店だそうで,これも嫁のいない土曜のお昼に自転車で駆けつけてみました.夏の暑い日でしたが,店の前に行列ができていました.前に並んでいるカップルがイチャイチャしていたのですが,何かの拍子に男の方がキレはじめてけんかが始まり,こちらもヒヤヒヤしました.やはりお腹が減っているときに行列して待つというのはよくないです.味はかなり濃いですね.昔若かりしときは,濃いラーメン万歳だったのですが,どうもこういう濃い味はうけつけなくなってきたのかもしれません.私には,関西風?あっさり豚骨ラーメン,たとえば,大名ラーメンの方が合うようです.さて,この天神旗は,系列店がうどん屋,つけ麺やもやっているそうで,そちらの方も高評価です.機会があれば行ってみたいですね.(でも,並んでまで食べたいか,というと,これも年のせいでそこまでのファイトがなかなかわきません)



歴史を刻め

変な名前ですが,この店も大阪でも数少ない,次郎系というラーメンを出す店です.次郎系というのはよく聞くのですが,どういうものか知らなかったので行ってみました.家から自転車でものの5分のところにあります.行ったのは,嫁も寝静まった夜10時ごろ.これなら,いくら有名店でも待たずに店に入れるだろうと思ったのですが...甘かったです.新幹線の高架下のかなり辺鄙なところにあるのですが,それにも関わらず,むさ苦しい男たちが15人ほどが行列を作っています.自分もむさ苦しい男たちの列に加わります.待っている間に,こんな時間に人もほとんど通らない暗い高架下で何をやっているんだろうと自分でもアホかと思いましたが,気がつくとあと数人で自分の番が来るころになっていたので,ジッと我慢して待ちました.
 私は小にしたのですが,多くの人が食べている普通の量は半端じゃないですね.器の上に野菜が盛り上がっていますよ.すごい! 麺は太さはよいのですが,私の好きなツルツルではなく,ちょっとごわごわした感じです.もうちょっとやわらかく,ツルツルと食べれるようになっていたらもっと美味しいと思うんですけどね.もしかしたら,上の野菜を食べている間に麺がのびきってしまわないようにそのような配慮がされているのかもしれません.だとしたら,小には長めに茹でるという配慮をしてもらいたいですけど,まぁ,あれだけの注文をさばくのであれば,それは無理なのかなぁ..
 味は濃い醤油味です.これも嫁の薄味に洗脳されてきた私にはちょっと濃く感じられます.背油が浮いているようなギトギトラーメンはもう美味しくおもえない身体になってしまったのかなぁ..と自分の衰えをちょっと寂しく感じられるラーメンでした.
 なんでも,次郎系は4回目くらいからよくなってくるんだとか.もう少しブームが去って,待たずに入れるようになったらまた来ようかな.






炒麺処 可門

ここは自転車で3分ほどのところにあります.怖そうなおっちゃんとおばちゃん夫婦(?)の二人で切り盛りしています.いろいろな注意書きがあり,なんかいけないことはしてないだろうか,とビクビクしてしまいます.この店では,ラーメンではないかもしれませんが,五目炒麺というのが好きですね.この店の特徴は,しっかり火が通っている,と書くとあたりまえなんですが,なんというんでしょうねぇ,たまに高級店に行って「本格的だなぁ」と思わせるような美味しさというんでしょうか,それを,この小さな二人だけで切り盛りしているお店で感じさせてくれるところが素晴らしいです.ここは少しくらい並んでももう一度行きたいと思わせる店ですね.これだけ写真なかったです.ビクビクして写真撮れなかったんだろうなぁ.



とまぁ,思いつくままに書いてみましたが,なんやかんやと結構行ってますな.
でもって,口に合わないと思った店の方がなんだか文が長い.よくも悪くも個性的な店の方が記憶に残って書くことがあるということなのかな.それとも褒めるときの語彙が少ないのか.もっと美味しさをうまく表現できるようにしないとな.

2010-10-29

[Life] 他者の目

今日の授業は学部学生が相手で,学生さんが前回授業で学んだことについて
グループごとに発表を行うというものであった.

まぁ,やはり発表というものに慣れていないので,
用意してきた紙を下を見ながら読むだけだったり,
ほぼ原稿そのものだけでスライドを作っていたりとほほえましい.

聴衆の方を向いて発表をしなさい,
要点だけをスライドにまとめなさい,
などとありきたりの注意をしたり顔でする.

アメリカの映画では,小学校のうちから
昨日あったことを皆の前で話す,など早いうちから
発表のスタイルを体験させているのを目にするけど,
日本ではそんな授業はほとんどないから,
こういうのが初めてということで,
どうしてもぎこちなくなってしまいます.

今日の授業でも,だめなところを指摘するよりも,
よかったところを褒める方に重点をおいて,
発表はおもしろい,という印象を持てるようにして
あげれよかったかなと,ちと反省.


藤井直敬氏は「つながる脳」の中で,社会性を研究テーマに選んだ理由の一つを

僕自身が常々他者の視線が気になって仕方が無くて困ってたからです.
どこにいても何をしていても,他者が近くに来るだけで,自分の振る舞いが勝手に変わってしまい,自分がそれまでの自分で無くなってしまうのです.
僕は昔から,そんな自分が嫌で仕方が無かったのですが,もしその他者と自分との関係が自分の脳内に及ぼす影響とその仕組みを理解できるなら,僕の生活は精神的に相当楽になるのではないかと思ったのです.たとえば,そのような社会的な反応が実は誰にでも起きていることで,しかも脳内の当然の仕組みとして避けられないのだと分かれば,自分一人で悩む必要がなくなるわけです.

のように語っていますが,たしかに他者の目というのは怖いですよね.

でも,前回参加したワークショップでは,藤井氏は堂々と反論を述べ,
強い主張をされておられました.なので,ひさびさに「つながる脳」を開けて,
この一節を見つけたときは意外に思いました.もう藤井氏の中には
他者と自分との関係が自分の脳内に及ぼす影響とその仕組みについて
おぼろげながら青写真ができているのかもしれません.
うーん,爪のあかを煎じて飲ませてもらわないとな.

まぁ,今日発表した学生さんも,数年後にはいろんな経験を積んで,
すぐにプレゼンがうまくなるんでしょう.

さて,こんな商品があるそうですよ.

これはドライアイにならないように,画面の目の瞬きにつられて瞬きを促す装置らしいのですが,
いつも使うことで,他人からの視線をものともせずに振る舞えるようになるかもしれません?.

2010-10-28

[Research] メガネを外すと別の顔

gigazine に
離れて見ると表情が変わる不思議な写真「ハイブリッドイメージ」
なる記事がありました.

以下のような写真なのですが,離れてみるとマリリンモンロー,近くで見るとアインシュタインとなんとも不思議です.



私なんかは近視なのでメガネを外すとマリリンモンローが見えます.
ハイブリッドイメージというのだそうですよ.


そもそも粗い画像でも,その人であるということが分かるというのもおもしろいですよね.
人の顔のコードは,粗いものと細かいものの2系統あるということなのかな?

CSI でやっているような,粗い防犯カメラの画像から鮮明な犯人の顔があらわれるというフィルターというのも怪しくなるのでしょうか.
実際には,メガネを外していても,だいたい人物が誰かわかり,その予測が外れるということはほとんどないです.
人間は粗い <-> 細かいの変換マップのようなものをもっていると考えることもできますよね.
Slow Feature Analysis のようなものをかければ,その間の処理のつながりが得られるかもしれない.

などなど,いろいろと考えさせられる新手の錯視でした.

2010-10-27

[News] ドラえもんの手

Wired より
何でもつかめて操作できる、新発想のロボット


指は無いのに、どのような形でもつかむことができるうえ、水を注ぐ、ペンで書
くなどの動作もできるロボットが発表された。粉体のジャミング転移を利用する
という全く新しい発想で作られている。





おぉ,ドラえもんの手のようだよ!
5指ハンドの皮膚の部分に使っても,ものを安定して持つのによさそうだ.

この「ジャミング転移」現象で,運動を作ることもできればすばらしいんだけどな.

2010-10-26

[Research] 脳の説明とは?

ひさびさの投稿.

先週,岡崎の生理研で行われた
生理研研究会2010 認知神経科学の先端 「身体性の脳内メカニズム」
というワークショップに行ってきました.

平田先生の類人猿の自己認識に関する研究の発表など,おもしろい発表があったのですが,
そのあたりの紹介は要旨にゆずるとして,強烈な議論がありましたので,そこだけ報告.

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OIST の磯田先生による,
自分の行動決定に関連する他者の行動を観察したときに特異的に反応するニューロン
がサルの前頭葉の内側部に発見されたという研究発表があったのですが,
その質疑応答で,東大の池上先生が
「そんなの全然重要な問題を解決していないよ!」
と強い調子で文句をつけはじめました.そのあと,池上先生が何を言っているのか
ついていけなくなってしまったのですが,國吉先生が
「池上さんはどうしたら自己・他者のシステムを作れるのかという
 構築主義的立場からものを言っているということを理解してほしい、」
と,うまく池上先生の立場を説明されていました.
(このとき,周囲の雰囲気に流されずに,自身が違うと思ったことを主張できる自信,
 そして,それを分かりやすく伝えることができる言語能力の高さという点で,
 どちらの先生も東大の教授というのは,さすがだなぁ,とたいそう感心をいたしました.
 ショボーン.)

また池上先生のコメントに対して,別の神経生理分野の先生が「さっぱりわからん」といって
切って捨てようとされたのですが,その態度に,理研の藤井先生が
「そんな態度は恥ずかしいではないか!」
とお説教をされていたのが印象的でした.

このあたりの議論は
<吉田先生のブログ>
http://pooneil.sakura.ne.jp/archives/2010/10.php
<藤井直敬氏のブログ>
http://www.brainhackers.org/archives/2010/10/4103
に詳細に説明されていますので,ご一読を.雰囲気が分かると思いますよ.

これだけ二つの立場があからさまに対立するところを目にできたのは,
問題へのアプローチの違いをより意識的にさせてくれるし,
やっぱりそれだけじゃだめなんだ,でも自分としてどういうことを提供できるんだろうか,
自分が満足できる説明とは?と襟を正させてくれるよい機会でした.

國吉先生の発表が最後に予定されていて,周囲の方々が赤ちゃんシミュレータについてどのようなコメントをするのか
興味があったのですが,残念ながら奈良で別のセミナーがあったために発表を聞かずに岡崎を後にしました.
(奈良のセミナーはそれはそれで面白かったので,また別の機会に紹介)


neural correlate (ぶっちゃけると,意識と相関するニューロン活動が脳で見つかれば
いいじゃないかという立場?)の立場からは,メカニズムというのはなかなか分からんよなぁ
と思っていたのですが,神経生理の中であからさまに批判する人がいるというのはすごいもんだ,と思いました.
(まぁ,neural correlate だって,意識みないなふにゃふにゃしたものを科学になんとかのせましょう,
まずはここから,ということで,そういうアプローチをとったんだろうけどね)

構築主義のアプローチをとっているもののハシクレとしては,
神経生理の neural correlate 的な多くの研究に対して,どういった観点から
「説明」するモデルを提供できるかということをよく考えていかなければならない,
ということを強く意識させてくれるワークショップでした.
(と無理矢理まとめておきます)

2010-10-07

[Book] 適当日記

夜,嫁さまが先に寝床に入ってからが自分の時間である.
洗い物を終わって,風呂に入って,
日本酒をおちょこに一杯ついで,静かな時間を楽しむ.

英語の本も読んでみるけど,すぐに頭が疲れてくる.
そんなときに,高田純次の「適当日記」を開きます.



この本は iTunes ストアで上位にランクインしているのを発見し,
¥115円ということで安いので購入したのですが,
たらたら読むのにちょうどよい.

この本がおもろいのは,「適当さ」というのが世間の理屈から外れているからなんだろうにゃ.
ふだんの社会の論理の窮屈さから少し自由になるところがクスリとおもしろいのか.

このブログも,適当日記とノリだけは変わらんなぁ.と思いつつ,酒に酔ってほろ酔い気分になり,ぐ〜,と寝る.

[Research] 研究費

先日モギー先生が来られて昼食をご一緒させていただいた.
そのときに,

「そうですかー.科研費の申請の時期なんですか.
 俺は科研費なんか申請したこと無いからなぁ.
 出してみるかな.
 でも番号とかさっぱりわからんな.
 学振でもらって以来だからなぁ.」

とおっしゃっていた.
研究費はソニーから出ているのかな?

「まぁ,ロボット系と違って安くすみますからね.」

ということだけれども,なんとも羨ましい話である.

[グルメ] たこやん

昨夜は仕事の遅い嫁様が「駅まで迎えにこんかい」というので,
もよりの淡路駅まで迎えに行ってきました.

なんで,そこまでせにゃならんのだ,と思いつつ,ついでに
駅近くの「たこやん」というたこ焼き屋で待つことにします.

このお店,イケメンのにーちゃんが一人でやっています.
いつも同じ人がやっているというのは,なかなか安心感がありますよね.

夜はお客さんで大にぎわいなんですが,客層もばらばらです.
サラリーマン風の人が
「このたこ焼き,中になんか入ってんのちゃうか?
 帰りに店の前を通ったら,いつもふらふら〜っと入ってまうねん.」
と言っています.
その隣には,OL っぽい人と身なりのいい年配の人がいます.どういう関係なんかな?
この前は,片腕のおじいちゃんが戦争体験のようなことを話していました.

店の中はいっぱいなので,店の外でビール片手にポン酢たこ焼きをほおばります.幸せ幸せ.
こんな風にたこ焼き屋やるのも,えーなー.

2010-10-04

[Life] 自分に向いていない?

昨日ある番組で,大竹まことが話してた話.
あるとき上岡龍太郎が独り舞台で「火垂るの墓」を見ていたく感動し,
自分でもやってみようと思って脚本を取り寄せた.
しかし,最初の3行を読んだだけで,どうしても涙が溢れ出てしまい,
とても独り語りの舞台にならない.そのときは
「上岡龍太郎のようなクールな人間だからこそ,あの舞台ができるんだ.俺には無理.」
と思い,それっきりあきらめてしまった.

ところが,かなり年月が経ってから,同じ舞台を山田雅人がやっているというのを知り,
ある機会に本人に「よくできるなぁ」と自分の体験を話した.
すると,山田雅人は
「僕も涙は出ましたよ.でも涙が枯れはてるまで練習をしました.」
それで,大竹まことは気づいた.あぁ,自分の人生で自分が足りなかったのはそこなのか.少し試して,自分で見切りをつけてしまって,やれそうなことだけを俺はやってきた.自分でとことんまでやるという努力をしてこなかった,と.

ちょっといい話だった.



とことんまで努力するというのは,あんまりやっとらんなぁ.
できそうにないことには,「向いてないし好きじゃない」という理由を付けて避けがちだからなぁ.

反省反省.

2010-09-21

[グルメ] 蜜焼きカレー

昨日は敬老の日ということで,ひさびさにお祖父さんに顔を見せに池田へ行った.
ただ帰るのもなんなので,お昼ごはんに「蜜焼きカレー」なる店に行く.

というのも,(゚Д゚)ウマー!(゚Д゚)ウマー! のとあるブログで紹介されていたのを見て,
ぜひとも食べたいと思い立ったため.
なんでも,カレーを蜜で焼き込んで作るのだとか.

庄内の駅の近辺の住宅街の中にあるその小さな店は
派手な外装のためにすぐに見つかりました.



中は5席ほどのカウンターがありますが,基本的には持ち帰り用のようです.
私はペッパーチキンカレーを,嫁さまはデラックスカレーを頼みました.
値段はなんとMサイズで480円!安過ぎですよ.


ここのカレーが変わっているのは,ワサビがついてくること.
しかし,このワサビがまた蜜焼きの甘いカレーとまたよく合う!
昔バーモントカレーのCMで「りんごと蜂蜜〜」なんて歌がありましたが,
私にとっては,あのイメージ通りの味でした.
今回は辛さは「ふつう」でしたが,次回はちょっと辛いレベルに挑戦したいと思います.


さて,明日からは名古屋でロボット学会..
ひさびさに嫁さまから自由になって,ふっふっふっ.

2010-09-16

[Book] 人間の本性を考える

「人間の本性を考えるーー心は「空白の石版か」」
スティーブン・ピンカー

を読む.

ピンカーというと,「言語モジュール説」なので,我が研究室では評判がよくないのだが,
原理主義的なところではなく,細かなレベルとしてどのように考えているのか知りたかったので読んでみる.

ところどころに「生まれか育ちか」について歴史的に大きな揺れがあったことが紹介される.日本にのほほんと住んでいると,ある本を出版することによって,それが人種差別的であるなどいう理由のために抗議運動が起きることはあまり想像できないが,アメリカではそういうことがしょっちゅう繰り返されていることは,ある意味すごいな,と思ってしまう.

さて,認知ロボティクスの基本的な目的の一つは,ある認知能力は学習によって獲得可能であることを示すことなのであるが,そう言ってしまうと,それは「心が空白の石版」であるという立場側に立っているのかもしれない.研究でも強調されるのは学習可能性についてであり,それを可能とする基盤メカニズムが遺伝的に存在することを示唆する,なんてことはあえて言わないことが多い.

ピンカーは,そのあたりのことを指摘し,

「ニューラルネットワークは心的構造を統計的学習に置き換えられるという風説は正しくない.単純でジェネリックなネットワークは,ふつうの人間の思考や発話の要求にこたえられない.複雑な特殊化されたネットワークはいわば石のスープで,興味深い仕事のほとんどがネットワークの生得的な設定によってなされている.」

と述べている.

しかし,ある学習をするための仕掛けというのは,どういうものであったら認められるのだろう?明らかに設計者視点なものであったら,「そりゃー,そういう設定にしたら学習できるのはあたりまえじゃん」なんて避難を避難されることは多いが,それが生物に存在し得るかどうか,という視点ではあまり議論されないように思う.
一方で,saliency であったり,sparseness であったり,情報エントロピーであったり,より情報の操作的に一般的なものは認められやすい.

でも,ネットワークの特殊化,つまり生得的な特殊化が,そういったものだけで説明するのは難しいんじゃないかなぁ.ヘビがきらいとか,おっぱいが好きとか,そういうのはどうしたらいいんだ?

などと,研究のアプローチについて考えさせられる(ピンカーに簡単に感化されている?)今日この頃なのでした.

2010-09-14

[Life] 仕組みをつくるひと?

有名なブロガーちきりんのブログに
新)4つの労働者階級
なる記事があった.

なんでも,世の中の働く人は

(1) 仕組みを設計する人
(2) 仕組みの設計をする人
(3) 言われた通りに仕組みを作る人
(4) 仕組み通りに働く人

に分類されるのだとか.

大学というのは,あるいは少なくとも研究開発職に関わる人を育てる場としては
仕組みを設計,仕組みの設計をできるような人を育てることになっているんでしょうなぁ.
でも,

「上にいくほど仕事は非定型である。すなわち、上にいくほど“ゼロから考える仕事”」

の,その練習としてとらえられる学生さんは少ないでしょうね.

できるだけ恥ずかしくない研究としてまとまるように「どうしたらいいでしょう?」と受け身になりがち.
なかなか「枠」を超えて考える,自分で非定型なところを組み上げて行く,
なんていう発想には,なかなかならないし,なれないなぁ.(自分も)

「枠」を超えることの面白さ,というところを動機の中心にしてあげられたらよいんだけどね.(自分も)

2010-09-09

[Life] カルチャーの違い?

先日,とある学会で学生さんに神経回路モデルを発表してもらったのですが,
やはりロボット屋はどうも発想がシステムっぽくて,
説明が,こう設計したらうまくいきます,というものになりがちだなぁ,と感じました.

というのも,とある先生に

「結局はそうするんだけど,あからさまには分かりにくく,
 不思議だけどうまくいく,というように見せるのがいいんだ.」

というコメントをもらったから.

う〜ん.確かに整理しすぎると,機械っぽくなってしまい,
生物的なモデルとしては,ありえなさそうに見えるからなぁ.

ぐじゃぐじゃしている中でも,何かの構造が生まれてくるという
自己創発的なものが感じられるボトムアップ的な自然っぽさが重要なんだろうけど,
説明自身がロボット分野での慣れなのか,どうもトップダウン的になってしまっているのかな.

そのあたりの説明の塩梅にカルチャーショックを受けた今日この頃でした.

2010-09-08

[Book] モチベーション3.0

昨年までいた学生さんは,今フランスに留学して intrinsic motivation をテーマに研究している.
子どもの行動の動機はいかなるものなのか?
あるいは情報論的にどのように説明可能なのか?

動機が問題になるのは子どもだけではあるまいよ.
私の仕事に対する動機付けはどうやって上げたらよいんでしょう?
ハラヒレハレホレ.
うちのボスもかなりの仕事好きだけど,あたしゃあ,そこまでは身体がついていかないよ.
なんでそこまで頑張れるのか?

というわけで?最近話題の
「モチベーション3.0」
を購入...しただけ.
まず本を読むやる気が必要だよ.
いや動機はあるけど身体がついてこん,という感じか.時間的な余裕も無いしねぇ.

動画はとても面白かったです.


訳はこちら


論文になんかならなくてもええねん.
個人的に直感でおもろいことができたらええねん.
どこがオモロいのか説明しないとだめなんて無粋だワン.
ええねん! ええねん!

とはいえ,最低限,他の誰がなんと言おうと自分が面白いと思うのはココなんだ!
と言えないとだめだとおもうけどね.

2010-04-06

[Life] 孫正義のトーク

孫正義LIVE2011
cf. 宝のスピーチ(Chikirinの日記)

孫正義の話ははじめて聞きましたが,エモーションが素晴らしいですね.

登るべき山を見つけることが大事かぁ..
孫さんのモチベーションには情報ネットワーク社会の革命を起こそうという
心意気が根底にあったんですねぇ.

情報ネットワーク時代に何が重要になってくるんかねぇ.
そういった時代のロボットのあるべき姿とは?
脳とパラなコンピューターが実現したときのアプリケーションとは?
脳のコミュニケーションの許容量とは?
いろいろと考えさせられますなぁ.

2010-03-18

[Life] あぁ大衆の町



天五から天六周辺というのは,小さくて個性的な店がいろいろあって面白い.
たこ焼き屋なのにおしゃれな感じにしている店があるかと思えば,
屋台風なのにフランス料理の店があったり.

ふらふら歩いていると
「下品なくらいにダシが凄い」
っていう看板を見つけた.
こんな看板をつくるなんて,ホンマ,大阪やなぁ.

しばらく前に「裏HIROYA」という店に行きましたが,
ここは昼と夜とで違う店なのだそうだ.
いやいや,ほんまに雑然と下店なんだけど,ちゃんと洋風メニュー.

ワインを頼むと,一升瓶に入った国産ワインを出してきて,
デカンタにぼこぼこと入れて豪快に出してくれた.

こういういかにもな大衆食堂なスタイルでワインを気楽に楽しめるというのは,いい店ですなぁ.

2010-03-10

[Book] リファクタリング・ウェットウェア

最近
リファクタリング・ウェットウェア 達人プログラマーの思考法と学習法」Andy Hunt
なる本を読んでいる.(「ハッカーと画家」よりは面白かった)

「注意のコントロール」の章を読んでいて,なるほどと思った.
この本によれば,コンテキストの再読み込みには20分かかるそうで,
メールチェックはマリファナを吸うよりも大きなIQの低下を招くのだそうだ.

確かに,このところ朝から晩まで事務的なことばかりで,
メールに追われて1日が終わっている感じがする.
1日が終わって,その日に何をなしたのかを考えると,
研究も終わらず,論文も進まず,もうゾッとしてしまうほどの生産性だ.

対策としては

  • メールは日中の特定の時間のみ(最初の時間のみ)
  • やり取りのレスポンスを遅くする
  • 使っていないときはメールソフトを終了する

なのだそうだ.できるかなぁ.

めざせ!脱メール生活!

2010-03-04

[Life] 修論の恩

卒論,修論がようやく終わったと思ったら,今度はロボカプーである.
夕方,コーナンに学生さんとロボカプーに必要な品物を購入しにいく.

すると学生さんがなぜかそわそわしているので,聞いてみると

「修論で世話になったので,寿司を後輩におごるのです.
 その予約の時間が迫っているのです」

なるほど.なかなか義理堅い奴だわい,と思って,もよりの駅まで送ってあげる.

帰ってみると,別の学生さんが,

「奴は一番お世話になった,先輩には全然お礼をしてないんですよ!
 一番にするべきなのに.
 彼の理屈によると,「先輩から受けた恩は後輩に返す」のだそうですよ.」

という.確かに,彼の先輩は,最近結婚したのだが,修論前には
奥さまをほったらかして,この後輩のために大学に泊まり込み,
徹夜でグラフ作り,修論作り,パワポ作り,と何でもやっていたそうな.
しまいには,奥さまに刺されるのではないかという噂まで..

まぁ,なんだ,「先輩から受けた恩は後輩に返す」というのも
ある意味かっこいい?,ではないか?

 「一見理屈が通ってそうなんですが,グラフ作りを手伝ってやった同輩にも
 何も無しで,周りはブイブイ怒ってますよ!」

むぅ.これはなかなか穏やかでないぞ.
苦しいときに手伝ってくれた周囲の人の恩と返す順番を忘れてしまったらいけんぞな,もし.

(まぁ,私も人に言えた義理ではないが)

2010-02-15

[Life] 自分でつくる3Dプリンター

最近 3D プリンターはどんどん安くなって,数千万というところから数百万というところに
ようやくおりてきたところだ.
設計デザインの手法を根本から変えてしまうものとして,おもしろいな,と思っていましたが,
もうちょっとで研究室単位でも買えるかなというところまでは
おりては来ましたが,やはりまだまだ高価です.

そんなときに,これを見つけました.
Cup Cake CNC

これはすごい!
http://www.youtube.com/watch?v=DzDZLwaDzys&feature=player_embedded

自分で作ってしまえるとは!
その昔,配属された学生さんに STM を1台ずつ作らせる研究室があったとききましたが,
こういうものをつくってもらうのも面白いかもしれませんね.

2010-02-09

[Life] 試験監督

今期より試験監督なんぞをやってます.
まー,試験を監督する立場なんかになるなんて,こそばゆい感じです.

しかしよいですなぁ.
真剣な表情で,限られた時間集中して何かに取り組んでいる姿を見るのは.
教室にはカリカリカリカリと,鉛筆の音だけがします.

ますます,こんなところにいていいのだろうか,という場違いな気分になります.
「はい,あなたは間違いです.あんたは試験される側です.」
と連れて行かれるのではないかと..

早々と席をたって退出する学生さんの答案が
他の答案と異なっているのを見ると,
「もうちょっと見直した方がいいぞ,」
と言いたくもなりますが,それは許されません.
ここで,コツなんぞを教えてあげると頭にするりと入っていくんでしょうけどね.
なんとも試験というのは,無情なものです.

2010-02-07

[Comp] クーダー

プログラムのCUDA 化で格闘中.

ようやく得手不得手がおぼろげながら分かってきた.
確かに並列化の威力はすごい.
一方で,ホスト側からデバイス側へのメモリ転送速度がボトルネックになる.

また,多くのデータに対して同じ計算を行うときには威力を発揮し,
ある程度プログラムもしやすいのだが,総和をとったり,
平均をとったり,全てのデータを必要とする計算まで高速化するには
ちょっとテクニックが必要そう..

うーん,そういったことを考えながら自分のプログラムの改造を
考えていると頭がこんがらがってくる.
これができれば,一段の高速化ができるんだけどなぁ.

お腹も減ってきて.もう考えられない...
帰るか..

2010-02-03

[Life] 自転車あぶない

まだ週に何日か自転車通勤が続いている.
運動不足とストレスの解消にもなるし,体重もけっこう減ってきた.
自転車通勤バンザイである.

しかし,ここ数ヶ月で3回もぶつかって転倒するあり.
狭い路地をぬうようにして走っているのだが,
朝の通勤時間は中高生がやたら多く,しかも彼らとは進行方向が反対なので
危険きわまりない.

今日も女子中学生が路地からブレーキもかけずに
ひょっこりでてきたところにぶつかってしまった.

またあるときは,夜中に無灯火でブレーキもかけずに
角から突っ込んでくる女子高生にぶつかってしまった.

こちらとしては,一応そういう場所では速度を落としているのであるが,
向こうがブレーキもかけずに突っ込んでくるものは避けようがない.

自動車よりも自転車の方が事故になる確率が高そうだ.
幸い,これまでは自分も相手も怪我を負うということはなかったけど,
一瞬先は闇である.そろそろ自転車保険に入った方がよいかなぁ.

2010-01-28

[News] 踵からつくかつま先からつくか

今週号のNature に面白い記事がありました.
ジョギング愛好家の私としては,興味深いです.

Some bare truths about running

靴を履いて走る人と裸足で走る人は走り方が異なるらしい.
今週の online で Nature に発表された研究によると,
靴を履かずに走るランナーはつま先,あるいは足裏の前部分から着地し,
靴を履いて走るランナーは踵から着地するということだ.
前者の走り方では,脚や体への着地の衝撃を和らげるために足を使うが,
後者の走り方では,衝撃によって障害が生じる恐れがある.


ビデオが分かりやすくておもしろいです.
この教授は実際に,自ら裸足でジョギングをはじめたそうな.

私も裸足のジョギングはじめるかな...

2010-01-22

[Mac] 一人バンドを可能にするソフト

こいつはクールだじぇよ!

VoiceBand


めざせ大橋トリオ
空に舞い上がる粉雪を〜♪

2010-01-19

[Life] 評価は何だ?

とある飲み会で,官僚制度で出世をするためにはどれだけミスをしないか,ということが重要で,だから交番から警察官が消えたり,自衛隊でミスをしにくい部署の人が昇進していく,という話題が出ました.

そのとき,とある先生が,

「◯◯大学のとある学科では,ポストに採用するときに,研究実績なんか関係なくて学部時代の成績の順位を重要視しているんだぜ.今どきありえないよね.」

とおっしゃっておられました.

これは結構おもしろいですよね.(どちらも中途半端な私にとっては耳の痛い話ですが.)過去の学問大系を維持し,それを伝えるという目的のためには,学部時代の成績の方がよいような気もしますし,一方で過去にはなかった全く新しい発想というものが評価される論文を出す人は,過去の学問大系なんか教えるのはうまくないかもしれません.

そういえば,,私が今教えているコースはもともとグロ先生が担当だったときに作られたのですが,グロ先生は留学生に素材の開発を指示した後は任せっきりで,ほとんど授業に姿を現さなかったとか.でも,できたものは今までになく荒削りながらもけっこう面白い素材に出来上がっていて,学生さんの評判も高いです.
古いことをきっちり教えられることを評価するか,新しい発想力を評価するか,というのはちょっと相反するものかもしれませんね.

結局,組織としてどういったものを目指すか,ということになるのでしょうか.

2010-01-18

[Book] 46年目の光 (その2)

トイレ文庫「46年目の光」その2

読了.
中盤からは,目が見えてからの彼の視覚的冒険と科学的説明.
印象的なストーリーは,
盲導犬の愛犬と歩いていて,盲導犬から段差があると注意を促されたのに,何も見えないので愛犬の間違いと思ってそのまま歩いてつまづいてしまったが,もう一度歩いたときには,それがあると知っているからか,ちゃんと視覚的に認識ができたという話.少なくとも彼にとっては「知っている」というトップダウン的な処理が認知に大きな影響を及ぼしているようだ.

メイは動くものにはうまく対応できるが,段差や物体認識,人認識は弱い.
すべて意識的に行う必要があり,とても疲れる.その原因について,認知神経科学者は「ネコの脳のようだ」という.

それからが彼のすごいところ.
脳が活動していない,としても,どんどん知識としてデーターベースを作っていけばよいのだと,ホームセンターに行って,片っ端から商品を触り,視覚とのマッチングをとっていく.

視覚に対する興味,期待どおりにいかない苛立ち,そして不安からの立ち直り.が見事に描かれているところがすばらしい.
「見る」という行為は,単なる機能なのではなく,認識そのものがそのまま生き方に直結していることを再発見させてくれるという意味で素晴らしい本でした.

2010-01-15

[Life] アバターは不気味の谷を超える?

映画の「アバター」では,人類とは異なるヒト型の生物が現れる.
最初は奇妙な感じがあるのだが,3時間の映画が終わる頃には
親しみが出てきて,違和感は無くなってくる.

3時間も3Dで彼らの世界をともにしていると単純接触効果?によって,
多少の不気味の谷は越えてしまって,同化してしまうのかな?
まさに主人公と同じだ!

(たしかにCB2 に対する印象も,どんどん変わってきているような気がする.
 外部の人が感じている印象と自分が感じる印象は違うのかもしれない)
「アバター」で現実に絶望のファン続出、ネットで相談も

メーキングもおもろー.
映画『アバター』メイキング動画:モーションキャプチャの新技術
動きながら顔の表情をとるためのモーションキャプチャーシステムなんかあるんだなぁー.と関心する.

2010-01-14

[Research] コーヒーロボ

こういうことができるようになるための認識技術ができればよいなぁ.
認識技術はまだまだだなぁ..

2010-01-07

[News] 社会脳の発達に関するワークショップのご案内

以下のように社会脳の発達に関する面白そうなワークショップが開催されます.
Meltzoff 先生をはじめ,かなり大物の先生ばかりです.
参加無料で登録の必要もないそうですので,皆様奮ってご参加くださいとのことです.


Japan-US Brain Research Cooperative Program

Workshop: Development of the Social Brain
会場:東京大学駒場キャンパス 学際交流ホール
2010年1月23日・24日


Saturday, January 23

8:45 – 9:00 Welcome
9:00 – 9:45 Functional Brain Development in Early Infancy
Gentaro Taga, University of Tokyo
9:45 – 10:30 Mechanisms for Developing Social Cognition: Bidirectional Maps between Self and Other
Andrew Meltzoff, University of Washington
10:30 – 11:00 Tea/Coffee Break
11:00 – 11:45 Development of Self and Other Recognition
Kazuo Hiraki, University of Tokyo
11:45 – 12:30 Joint Attention as a Fundamental Facility of the Social Brain
Peter Mundy, University of California, Davis
12:30 – 2:00 Lunch
2:00 – 2:45 A Developmental Social Neuroscience Approach to Early Perception-Action Relations
Peter Marshall, Temple University
2:45 – 3:30 Infants' Brain Activity in Face Perception
Masami Yamaguchi, Chuo University
3:30 – 4:00 Tea/Coffee Break
4:00 – 4:45Functional Association of Brain and Body in Emotional Decision Making
Hideki Ohira, Nagoya University


Sunday, January 24

8:45 – 9:00 Welcome
9:00 – 9:45 Evolution of Primate's Brain by Social Pressure
Atsushi Iriki, RIKEN Institute
9:45 – 10:30 Development of Mentalizing: Viewpoint from Developmental Cybernetics
Shoji Itakura, Kyoto University
10:30 – 11:00 Tea/Coffee Break
11:00 – 11:45A Neural Account of the Development of Belief- and Desire-Reasoning
David Liu, University of California, San Diego
11:45 – 12:30 Reflecting Self-Development in the Brain: Considering Age, Culture, and Specific Domains
Jennifer Pfeifer, University of Oregon
12:30 – 2:00 Lunch & Poster Presentations
2:00 – 2:45 Charting the Typical and Atypical Development of the Social Brain
Kevin Pelphrey, Yale University
2:45 – 3:30 Brain Imaging in Infants at Risk for ASD
Sarah Paterson, Children's Hospital of Philadelphia
3:30 – 4:00 Tea/Coffee Break
4:00 – 4:45 Cognitive Developmental Robotics as a Bridge between Neuroscience and Developmental Psychology
Minoru Asada, Osaka University

2010-01-06

[Life] 2010明けましておめでとうございます




遅ればせながら,明けましておめでとうございます.
本年もよろしくお願いいたします.

日々,ぼんやりと思っていることはあるのですが,
なかなか文章にするという作業にまではいかないものですね.
そうこうしているうちに,頭の中から消え去って,
「なんかおもろいこと考えとったのに,なんやったっけー?」
ってなことになりがちです.

昨年後半は息切れがちでしたが,
文章にするという作業をしながら考えをまとめる練習をするという
初心にたち戻って,今年もできるだけ駄文を垂れ流して行きたいと思います.

いやいや,「考えをまとめる」なんてかたい考え方にとらわれることなく,細く長くやっていきます.

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