2010-01-18

[Book] 46年目の光 (その2)

トイレ文庫「46年目の光」その2

読了.
中盤からは,目が見えてからの彼の視覚的冒険と科学的説明.
印象的なストーリーは,
盲導犬の愛犬と歩いていて,盲導犬から段差があると注意を促されたのに,何も見えないので愛犬の間違いと思ってそのまま歩いてつまづいてしまったが,もう一度歩いたときには,それがあると知っているからか,ちゃんと視覚的に認識ができたという話.少なくとも彼にとっては「知っている」というトップダウン的な処理が認知に大きな影響を及ぼしているようだ.

メイは動くものにはうまく対応できるが,段差や物体認識,人認識は弱い.
すべて意識的に行う必要があり,とても疲れる.その原因について,認知神経科学者は「ネコの脳のようだ」という.

それからが彼のすごいところ.
脳が活動していない,としても,どんどん知識としてデーターベースを作っていけばよいのだと,ホームセンターに行って,片っ端から商品を触り,視覚とのマッチングをとっていく.

視覚に対する興味,期待どおりにいかない苛立ち,そして不安からの立ち直り.が見事に描かれているところがすばらしい.
「見る」という行為は,単なる機能なのではなく,認識そのものがそのまま生き方に直結していることを再発見させてくれるという意味で素晴らしい本でした.

1 件のコメント:

  1. こんなのがあります^^
    http://www.youtube.com/watch?v=4qCbiCxBd2M&feature=player_embedded

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