2009-11-30

[Life] トイレ文庫でインフルエンザを学ぶ

トイレ文庫

最近,あまり本を読む時間がないので,
トイレに本を読んで少しずつ読むことにした.

まぁ,あまり読み込むような本だと嫁さまから苦情が来るので,
長く読まない(めない?)ような本.

記念すべき最初のトイレ本は

「史上最悪のインフルエンザ」(アルフレッド・W・クロスビー)みすず書房

これは分厚い!
いつ読み終えるやら,と思っておりましたが,
毎日数ページずつ読んで,なんとか数ヶ月かけて読み終えることができました.

この本は,1919年に大流行したスパニッシュ・インフルエンザを
多角的な視点から記述してあり,インフルエンザが流行り始めた頃に
気になって買いました.

この本の面白いところは,当時の政治的な判断から個人の活動まで,
ひじょうに丹念に調査がされているところ.人々がそのときにいかに感じ,
また助け合い,そしてその後,どのようにして忘れ去られていったのか.
あるいは,場所ごとの死者数を比較しながら,リーダーシップをとって適切に
対処する人間の存在がいかに重要であったか,などが述べられている.

なんというか,インフルエンザそのものの知識を得るというよりは,それを通した
社会というものの動きを俯瞰的に歴史的に眺めることができるところが面白い.


国立感染症研究所・感染症情報センター インフルエンザ流行レベルマップより.'09 11/30 分)

まぁ,上のような赤だらけの状況にある現在,あまり面白がってもいられないのかもしれない.
公衆衛生や政治に関わる方々には,こういった過去の例を教訓に適切な判断を下してもらいたいものである.

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