文化は DNA に組み込まれている?「隔離された鳥の歌」実験
複雑な求愛の歌で有名なキンカチョウは、通常はその歌を父親から習い、群れから隔離されると妙な歌を歌うようになる。隔離された集団は自分たちの新しい歌を教育していくが、その結果はどうなるだろうか。
他者の声を真似をする能力とメスの好みによる選択があれば,ある程度の収束は可能ということか.
この話を聞いてすぐに思い浮かぶのは「ニカラグア手話」の話.
これはニカラグアで聴覚障害児の特別教育施設が設けられ,数百人の子どもたちが集められた.そこで自然発生した手話のことです.以下,イアコボーニの本からの引用.
「校庭やバスの中や道ばたで互いに顔を合わせているうちに,子どもたちは次第にそれぞれの慣れ親しんだ身振りを組み合わせながら共通のサイン言語を発達させていった.最初はそれも比較的単純な言語で,文法も単純,類義語はほとんどない,いわゆるピジン語のようなものであった.やがて,年長の子どもたちにこの単純な言語を教えてもらった年少の子どもたちが,もっと精密で,明確で,ゆらぎのない,成熟したサイン言語を発達させた.これが現在「ニカラグア手話」と呼ばれているものである.皮肉なことに,学校の教職員は子どもたちが互いにどんなサインを出し合っているのか理解できず,外部の助けに頼らなくてはならなかった.アメリカ手話の専門家であるアメリカ人言語学者ジュディ・ケーグルが招かれて,初めてここで何が進行しているか分かったのである.」(「ミラーニューロンの発見」(マルコ・イアコボーニ著 塩原通緒訳))
イアコボーニは,これは言語の遺伝子というよりは,「ミラーニューロンの機能の促進する相互模倣」が可能にした現象であると言ってますが,まさにそうなのでしょう.
たしかキンカチョウにおいても,他者の歌を聴いているときに,自身が歌っているときの神経回路が確認されているとか.
#やっぱり「文化」というのは,ちょっと言い過ぎなんちゃうかなぁー
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