私は研究室の皆と千里中央の飲み会へ参加.
すると,嫁さまからメール有り.
「ずるいわー.今から焼き鳥行ってくる.」
こらこら女一人で,一人焼き鳥とは,どこまで飲んべぇやねん.
私の家の近くには,個性的な飲み屋が多い.
この焼き鳥屋も,かなりこだわりらしく,
とても料理に時間がかかる.
私が淡路に引越してまだ間もなく,一人で住んでいて自由だった頃,
一度だけこの焼き鳥屋に行ったことがあった.
土曜日だというのに客は一人.
まだ寒い時期だったので,熱燗と焼き鳥をいくつかを頼む.
熱燗はすぐに出てきたのだが,
なぜかなかなか焼き鳥が出てこない.
最初に頼んだ熱燗をちびちびやっていたのだが,
ついになくなってしまった.
仕方なしに,もう一本熱燗を頼む.
それを見ていた客のおっちゃんがフォローして曰く,
「この大将は,こだわりがあってえぇねんけど,
時間がかかるんや.
わしもいつも仕事の途中に店にちょっとよって,
前もって注文しとくねん.
でも,美味しいねんけどな.
にーちゃん,わしの一本あげるわ.」
なんとも,悠長な焼き鳥屋である.
小さなテレビがおいてあるだけで,歌謡曲が流れていて,
なんとも静かな時間が流れていった.
と,まぁ,そんな思い出深い小さな焼き鳥屋だったのだが,
結婚後はそれっきり一度も足を運んでいなかった.
その焼き鳥屋に嫁さまは目をつけてしまったらしい.
なんでも,客がほとんどいないので,
かえって一人でも入りやすいと感じたとか.
どうなることかと思っていたら,大将とすっかり仲良くなって,
「これも美味しいで.
ビールサービスや.」
などということに.
コラー! そこは私の心の焼き鳥屋なのだ!
しかし,一人飲みに全く抵抗のない嫁とはこれ如何に...