Nature 460, 934-935 (20 August 2009)
Neuroscience: Categorically hard-wired
人間の脳は生物と非生物の認識を異なる視覚領域で行っている.これは物体を見る能力に全く依存しているというわけではない,つまり,生まれつき盲の人においても,異なる視覚領域で処理されているということが最近示された.
Harvard 大学の Alfonso Caramazza ,ニューヨークRochester 大学の Bradford Mahon らは,6つの動物のリストを盲人と見える人に読み聞かせる実験を行った.その間,被験者には目を閉じてもらい,動物のサイズを比較するようにしてもらう.機能的脳イメージングを行うことで,研究者はlateral occipital cortex が両者のグループで活性することを示した.しかし,道具等の非生物のリストを読み聞かせたときには,異なる視覚領域,medial fusiform gyrus が活性化した.
進化は,動物に対して人間が感情的反応を行えるようにするために,非生物から区別して動物のための神経的なカテゴリーをあらかじめ配線しておく選択を行ったのかもしれない.と著者らは考えている.
もとは
Category-Specific Organization in the Human Brain Does Not Require Visual Experience
Neuron, Volume 63, Issue 3, Pages 397-405
B. Mahon, S. Anzellotti, J. Schwarzbach, M. Zampini, A. Caramazza
盲の人でも,同じ領野に活動が見られたというところが hard-wired ということなんだろうけど,
生物的な情報はこちら,非生物的な情報はこちら,というような配線がひかれているということ?
筆者らの主張とは逆に,感情的な対応を行うための情報が,その場所にカテゴリー化されるように学習される,
と考えることもできるのではなかろうか?
とはいえ,例えそうであっても,感情的な対応を行うものは「ここの領野」という生得的な
メカニズムがないとだめなので,やっぱりそういうものは必要になってくるんだけどね.
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