米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)の博士課程へ入学を許可されたときには「何か大きな間違いがあったに違いない」と思ったほどだった。人生の謎解きをするのが大好きだというレビット氏は、自分個人の経験と身の回りで見聞きすることの不一致をから研究テーマを決めた。「ただ自分の鼻を頼りに物事や周りの状況を見て、結論を引き出しているんだ」
とかく見聞きしたことを,自分の知っている発達理論なりなんなりを当てはめて理解し,それ以外はノイズと考えがちなんだけど, 実際の現象というのはより複雑な要素で,理論になっていることは,その一面を切り取ってきたことにすぎないということを忘れがちだ.人間を説明する万能な理論なんて物理学のようなきれいな世界でもないのだから,きれいに現れて観察できることは稀なのだろう.
彼は『ヤバい経済学』での自分の仕事を「おなら学の権威」と呼ばれた父親の研究と比較する。レビット氏の父親も周囲から医学研究には向いていないと言われたが、ひとつだけ研究者が不足している分野があると知り「腸内ガス」研究の道に進み、第一人者となった。「他の人と対等な立場で競争できるほど有能でないときには、誰も手をつけていないような隙間を見つけなくちゃいけない。わたしが(経済学で)やっていることは、ガス研究における父のキャリアと似ているね」どうも自分も本流は避けて通りたい性格のようなので,脇道の方からゲリラ的にチクリとするような研究ネタを見つけるよう心がけたいものだ.
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